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迎える家
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使わなくなっていた和室のリノベーション工事
家族が多かった時に使っていた続き間の和室。
月日が経ち、家族の暮らし方にも変化があり、気がつけば空気の入れ替えだけをする​だけの使わない部屋になっていた続き間の和室。少し手を加えて、家族が帰省した時、お友達が泊まりにきた時、普段のもうひとつのリビングとして使える様な部屋に造り変えました。
面影を残す
先代がこだわって建てた続き間の和室でした。全てを一新することもできますが、私はあえて面影を残すような設計をしてみました。

縁側だった廊下は木リブ材を使い天井を低くして、落ち着きのある庭を眺めるコーナーにしたいと考えました。庭から摘んできた草花が出迎えてくれるように入り口正面に飾り棚を設けました。
続き間はワンルームに
続き間の欄間となっていた繊細な造りの縦格子は解体時に大切に保管し再利用しました。この縦格子がデザインモチーフとなり、全体的な材料選びの基準にもなりました。
元々床の間だったところは違い棚を置いたり、テレビ台に造り変え、縦格子の欄間を再利用しました。
天井は折り上げ間接照明だけを使い天井全体で柔らかい灯りを調整できるようにしました。
​置き家具は先代が大事に集めてこられた家具を見繕い配置することにしていたのですが、素敵な家具が多かったので馴染みよく配置できたように思います。
使いやすい水廻り
元々納戸だったところは間口を広げて部屋から行き来し易い洗面所にしました。使いやすさを意識し見えても素敵に思える様な素材選びをしました。洗面台に向かって左側にトイレを、右側を納戸として使える様な間取りにしました。
洗面カウンター
カウンター幅を大きくして洗面だけではなく湯沸かしなどにも使ってもらえるように収納や設備を配置しています。
​化粧鏡の背面の壁は国産のモザイクタイル矢筈張りとしました。
廊下はギャラリーに
母屋と今回工事した部屋を繋ぐ廊下。床はヘリンボーン張りにし変化をつけることでギャラリーコーナーになるように。そしてその張り変化で既存床と新規床の境目を目立たなくしました。通り過ぎるだけの廊下ではなく、ちょっとした居場所として使える様に考えました。
工事前と面積は変わらないワンルームですが、天井高さや素材に変化をつけることで小さな居場所をあちこちに配置できゆったりと気持ちよく過ごせるような場所になりました。
これからも続く家族の集い。いつの日か家族が増え先代が大事にしていた場所に集い、賑やかな笑い声が聞こえてくる・・・迎えることが楽しみになる家になってくれたらうれしく思います。
『迎える家』
一戸建て住宅のリノベーション工事

施工:株式会社柿原工務店
主体構造:木造在来工法
所在地:福岡県内
photo : Yousuke Harigane
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